一番好きなゲームジャンルはアドベンチャーです

こんにちは,オワダ(@alice8544)です。
配信で「魔法少女ノ魔女裁判」(まのさば)をクリアしました。
チープな言葉になりますが,本当にすばらしい作品でした。
前回の記事では,クリア直前までの感想を綴りましたが,今回は最後まで遊び終えたうえで,自分にとってどんな部分が強く心に残ったのか,ゲームとしてどのような点が優れていたのか,そして逆に問題点はなかったのか――といった視点からあらためて感想をまとめていきます。
なお,今回はエンディングまでのネタバレを含みます。興味がある人は自身でプレイするか,あるいは配信などで視聴してみてください。配信で済ませた人で面白いと感じたのであればお布施もしてね。

キャラクターの魅力を引き出すストーリーライン
ゲーム,アニメ,マンガ,ドラマ,映画など,あらゆるコンテンツで自分が重視しているのがキャラクターになります。話がどれだけ面白くても,魅力的なキャラクターがいなければ,なかなか好きになれません。
まのさばのオマージュ元であるダンガンロンパがそうだったように,この手のデスゲーム物は基本的に序盤で退場するキャラクターは,どうしても印象が薄くなりがちです。しょうがないといえばしょうがないんですけども。
まのさばのすばらしいのは,その点を「死に戻り」という要素で解決したこと。この手法をもって,序盤で退場したキャラクターにも活躍できる場面,印象的なシーンを用意しているのです。

1周目で即退場したり,殺人サイドで印象が良くなかったりするキャラクターでも魅力を引き出せるのが本当によくできていますね。もちろん2周目の推理における犯人役からの除外や,退場するであろうキャラクターの予測にもつながってしまいますが,そこは目をつぶってもろて。まだこの子は過去回想やってないから救えませんね~。


王道でありながら珠玉のアドベンチャー要素
「最序盤に退場するヒロちゃんの活躍」「意外ともいえる犯人役の選出」「周回要素ありのストーリー」など,このゲームには名作と呼ばれるアドベンチャーゲームで使われてきた手法へのリスペクトがこれでもかと詰め込まれています。
ゆえに自分はそこかしこでメタ視点が入りまくって展開がなんとなく予想できたりしたんですが,逆にそれがとても心地よくありました。行きつけの定食屋の定番メニューとでもいいますか。こういうのでいいんだよ,こういうので。

そして展開は読めたとしても物語の核となる部分がクライマックスに詰め込まれているので,最後までダレずに遊べるのもうれしいポイントです。
……正直プレイ前の評判の高さから,十中八九ハッピーエンドで終わるだろうとは予想できていたので,終わり方もなんとなく察していましたが,それは完全に自分が悪いです。面白そうなアドベンチャーゲームは早いうちに遊ぶほうが絶対にいいです。次回作は最速で遊びましょうか。でも「あなたを嫌な気持ちにさせることに特化したアドベンチャー」とかいってるんだよなぁ~。心配です。


愛さずにはいられないキャラクターたち
やっぱりゲームはキャラクターなんですわ! といいたくなるほど良いキャラばかりでしたね。ココちゃんあたりはちょっと薄味かも? と思わなくもないですが,ほとんどのキャラクターが最初の印象から評価を上げているんじゃないでしょうか。
1周目こそ,殺人サイドのキャラクターがとんでもない理由で事件を起こしまくるので,サイコパスしかおらん……という感想を抱きましたが,魔女因子という仕掛けを用意することでうまく逃げ道を作っていました。
人のままハンナちゃんを殺して吊ったシェリーちゃんや,ナノカちゃんぶっ殺してバラバラに分解にしたメルルちゃんとか擁護できる? という声が聞こえてきそうですが,彼女たちには一貫した目的があるので自分は許しました。ギリギリ。

個人的なキャラクターTierはユキちゃんがトップになりました。
人類に自分以外の魔女を殺され,復讐を誓いますが,計画の中で人の善性に触れ,エマちゃんを殺すことができなくなり,最終的に彼女らを救うために自死を選びます。あまりにも悲しすぎます。

そんなユキちゃんですが,エンディングの後日エピソード的な1枚を見ると,死に戻りの魔法で蘇り,メルルちゃんと再会しているように解釈できます。最終的に登場人物全員が救われているわけで,これにはオワちゃんの目にも涙。

アドベンチャーゲームであるがゆえの弱点
ゲームのつくりとして良し,ストーリー良し,キャラクター良しであればつまらなくなるはずがありません。が,いくつかの弱点というか,マイナス要素につながるポイントはあります。
1つは話が長すぎてしまうこと。キャラクターのバックボーンを掘り下げていくうえで,どうしても時間が掛かるのは分かりますが,タイパというクソみたいな言葉が流行してしまうような現代では,合わない人もいるような気がします。とくにこの手のアドベンチャーを遊んだことがない人は,途中で止まってしまうかもしれません。


そして王道過ぎるストーリーゆえ,展開が読みやすい,メタ視点が入りやすいのも人によっては合わないかもしれません。パッと見の時点でめちゃくちゃダンロンですやん! って感じですし,真新しい要素が少なく感じる人もいるでしょう。新しい衝撃を求めている人には物足りなく感じるかも。
あとは登場人物が全員女の子で,ちょっと可愛らしすぎるところも引っ掛かる人がいそうです。実際に自分の知り合いにも絵柄がちょっと~といってる人はいました。ちなみに自分は,女の子がたくさん出てきてみんなで何かを成し遂げるコンテンツが大好きなので,まったく問題ありません。むしろどんとこいです。


アドベンチャーゲームのすばらしさを再確認できたことに感謝
冒頭にも書きましたが,自分が一番好きなゲームジャンルはアドベンチャーです。しかもアクションアドベンチャーではなく,テキストアドベンチャーです。好きなゲームジャンルの話をするときに,アドベンチャーが好きといわれて,具体的なタイトルを聞いたときにアクションゲームが出てくると「そっちですか……」とちょっとだけがっくりしちゃう系のおじです。
現代では,この手のゲームは「ビジュアルノベル」「ノベルゲーム」というジャンルで呼ばれることも多くあります。でもね。自分はいつまでもアドベンチャーと呼んでいきたいんです。たとえ分かりにくく,説明が二度手間になったとしても,自分にとってのアドベンチャーはこのようなゲームなんです。まのさばのジャンルは「魔法議論ミステリーADV」ですが,ここだけで評価が一段階上がるレベルでうれしくなります。
そして何より,ここまでステレオタイプなアドベンチャーゲームが現代でも人気になって,話題になることがうれしくてたまらないのです。近年ですと「パラノマサイト」や「十三機兵防衛圏」「未解決事件は終わらせないといけないから」といった話題になったゲームを遊んだときにも同じ感覚を覚えましたが,まのさばは特に強く感じました。

アドベンチャーゲームのすばらしさは,登場人物と感情を共有できる部分にあるように思います。喜び,哀しみ,怒り,楽しさ――あらゆる感情を共有しながらクライマックスに向かって進んでいきます。映画やドラマにも似たようなところがありますが,ゲームの場合,自分で操作しますし,付き合いも長くなるから余計に感情移入しやすくなっているように思います。

やはりアドベンチャーゲームはすばらしい。
久しぶりにそんな気持ちにさせてくれるゲームに出会えました。
ありがとう魔法少女ノ魔女裁判。
ありがとうAcaciaのスタッフたち。
次回作も楽しみにしています。
あ,最後に。自供パートの人形劇のイラストが好きすぎるのでいつか見られるようにならないかな~。アプデに期待!

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